現在のフィリピンR&Bを牽引しているプロダクション「Flip music」、彼らのレーベルから2011年にリリースされたタイロ＆ユミのデビューアルバムはピノイR&Bのスタイルを決定付けたエポックメイキングな1枚。その後のフィリピンR&Bシーンはタイロ＆ユミを筆頭にFlip musicのアーティストが絡んでいるものが殆ど。1960年代からのオーソドックスなソウルミュージックを十分に吸収・消化した上でロック・ポップスなどの要素を積極的に取り入れたサウンドは個性的で斬新、海外のR&Bファンからも高く評価されていますが、第1弾シングルとしてカットされたのはオーソドックスなディープソウルバラード。オリジナリティ溢れる最新のピノイR&Bサウンドではなく、旧来のソウルファンから厳しい批評を受けるかもしれないオーソドックスなスタイルのオリジナル楽曲をデビューシングルとして持ってきたのは彼らの自信と決意、そしてあこがれてきたアフリカンアメリカンミュージックへの敬意の表れか…
当時UST(サントトーマス大学)の学生だったタイロ＆ユミのデュエットナンバーを含むデビューアルバムはR&Bファンにはマスト！な１枚です。