今フィリピンのR&Bプロダクション「Flip music」がアツい!

Flip music
Flip music
2009年、小さな音楽プロダクションとしてスタートしたFlip music
当初はローカルアーティストのサポートとシングルのデジタル配信をメインに活動していましたが、2011年暮れにメジャーレーベル Viva recordsからリリースした学生R&Bデュオ「Thyro & Yumi」のセルフタイトルのデビューアルバムが話題に!
マニラを中心としたローカルライブスペースでのステージやレコーディングを続けつつ、2013年7月には所属のアーティストらによるコンピレーションアルバム「Flip music #One」をリリース。
その後Flip musicレーベルのアーティストがリリースするソロアルバムはどれも今までになかったポップセンスあふれる新感覚のR&B。

アジア人であって黒人音楽にあこがれるアーティストは多く、そのスタイルは外見もサウンドも「真の黒人・ソウルミュージック」に近づこうとする動きが多い中、あえて「非黒人」の目線でR&Bを捕らえ、自らが持つポップセンスと多種多様なポピュラーミュージックを融合させた「彼らのR&B」は、それまでの黒人専門のマーケットから広く全米のリスナーにアピールすることを狙い大成功を収めたモータウンや、ストリングスオーケストラを大胆にフィーチャーしてディスコブームにも乗り一世を風靡したフィリーソウル、黒人にあこがれる白人ミュージシャンによるポップ・ロックとR&Bを融合させた「ブルーアイドソウル」などこれまで多くの才能あるアーティスト・プロデューサー達が試みてきた画期的なニューサウンドに通じるもの。

しかも彼ら(Flip musicのアーティスト)が作り出すそんなミクスチャー感覚あふれるサウンドは決して日和ったり妥協したりした結果の産物ではなく、R&B要素・ポップ要素のどちらもしっかりと咀嚼し自らの音楽性として吸収した上でのもの。
Hip Hopソウルサウンドを前面に打ち出しながら、各楽曲ではそのメロディ作り、ボーカルアレンジも重要な要素として位置づけ、
非常にポップでキャッチーなメロディとソウルフルなボーカル、時にはメインとなるラップを楽曲のパーカッシヴなスパイスとしてあえてアレンジ中のサブ要素として用いるなど、柔軟で新鮮な感覚の作品を生み出している Flip musicとそのアーティスト達。
リズムアンドブルース~ソウル・ファンク・ディスコ・ブラックコンテンポラリー・ヒップホップ・ニュージャックスイングなどなど
60年代~現在に至るアフリカンアメリカンの音楽を真摯に聴いて吸収していることが感じられる多彩な内容は
全体にポップな要素がちりばめられていて、且つ、だからこそ浮き彫りになる非常な「黒っぽさ」を感じることが出来ます。

ジャケット写真やプロモーションビデオではいかにも「草食系」的な若者が登場、マッチョでタイトな画像を期待していた向きには
肩透かしを食らったような感覚すら与えますが、1曲聴き終わるころには彼らの「黒っぽさ」に惹きこまれてしまいます。
アジアンR&Bの一つの形が出来つつある Flip musicの動向はポップファン・R&Bファンのどちらも要注目です!

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