本日のお奨め 2015年5月10日

■南米~カリブ海諸国とのつながりを感じさせる1枚「Kundimanの女王Sylvia La Torre」

Sylvia La Torre / The Best of Sylvia La Torre Heritage Series
16世紀からスペインの植民地支配を受け、アカプルコとの間で行われた「ガレオン船貿易」により盛んに南米・そして南米経由でヨーロッパの物資が流入していたフィリピンですが、音楽など大衆文化も一緒に紹介されフィリピン市民の間に広まっていきます。19世紀後半には「Harana」「Kundiman」といったそれら南米・カリブ海諸国の音楽に影響を受けた大衆音楽が盛んになります。戦前戦後を通じて最も盛んだったKundimanはそれを得意とするシンガーも数多く活躍しました。その中で最も人気がありKundimanを代表するシンガーとして語り継がれているSylvia La Torreのベストアルバムを本日はピックアップいたします。
暗い短調から始まり明るい後半に展開していくKundimanは植民地支配から独立することを夢みたフィリピン人の心を代弁するもので、多くの楽曲が作られますが、より南米の香りが高い明るい作品も多くリリースされています。
Sylvia La Torreがレコーディングした作品も、オーソドックスなKundimanから当時のラテンポップスそのままの情熱的で明るいサウンドまで多岐にわたります。ノスタルジックなサウンドに1940~50年代のフィリピンの華やいだ様子をうかがい知ることが出来る1枚です。