■秋の気配を微妙に含み始めた空気を感じながら聴くのは…Sittiの最新アルバム

今年も暑い夏でしたが、台風の通過と共に微妙に秋の雰囲気を空の色や空気の湿り具合の変化に感じるようになって来ました。
夏の暑さをイメージさせるブラジルが発祥のボサノバですが、ちょっと秋めいた日本の空気にもなぜかぴったり。本日ピックアップしたのはフィリピンポップボサの女王Sitti Navarroの最新アルバムです。リリースは先月ですが、レコーディングは結婚前の昨年暮れ～今年初旬にかけて行われたもののようで、デビュー以来のレパートリーとなっているボサノバスタンダードや、自身が新たに書き卸したオリジナルナンバーも収録されています。
カホン・パーカッション中心の打楽器とアコースティックギター、Sittiのボーカルといったシンプルな構成で、音数が少ないが故の独特の緊張感を持ったアルバムとなっています。
原曲のやるせない歌詞とは裏腹にからっと乾いた明るいトーンのイパネマの娘(トラック01)、レコーディングをしていた時期の彼女の気持ちを表したようなトラック04のオリジナル曲Ligaya(英語=Happiness)、スイートソウルの名曲をオシャレなボサノバサウンドでリメイクしたトラック10のLala Means I Love Youなどなど…ハッピーでリラックスしたシチュエーションで聴きたい1枚です。